NIID患者の会

NIIDとは

どんな病気?症状は?予後は?気をつけることは?

NIID(神経核内封入体病)は、神経細胞や全身のさまざまな細胞の核内に「核内封入体」と呼ばれる異常な構造物が蓄積する進行性の神経変性疾患です。現在のところ根本的な治療方法(根治療法)は確立されていません。
海外では1960年代からその存在が知られていましたが、当時は死後の剖検でしか診断することができず、一般には殆ど知られていない病気でした。しかし、医学や医療技術の進歩により、最近では皮膚の組織検査、MRIによる画像診断、遺伝子検査の結果と臨床診断の組合せにより生前の診断が可能となっています。日本国内では患者数は依然として少ないものの、生前診断が可能となったことで診断される患者数は増加しています。
遺伝子検査に基づく研究から、封入体が確認された細胞核ではNOTCH2NLCという遺伝子の中の核酸の配列(グアニン-グアニン-シトシン; GGC)が異常に伸長していることが発見され、NIIDの原因の一つと考えられています。
ただし、核酸配列(GCC)の長さが同じでも発症することもあれば、発症しないこともあります。また、欧米からは異常伸長していないのに発症したとの報告があることから、NOTCH2NLC遺伝子中の核酸配列の異常伸長以外に原因がある可能性が示唆されています。
生前診断が可能になったことで臨床症状の情報も集まってきており、NIIDで出る症状、発症時期によって出る症状に特長があること、孤発性と家族性のものがあること、など幾つかの類型に分類できることがわかってきています。

発現する症状は、神経系に関係する認知機能低下、歩行障害、筋力低下、排尿障害、便秘、しびれ、激しい嘔吐など、患者ごとに様々な症状が見られます。
また、核内封入体は一般臓器の細胞にも存在しており排尿障害や便秘(これらは自律神経系の障害でも起こり得ます)や網膜変性などの症状も報告されています。
さらに今後、患者数の増加に伴って更に様々な症状が出てくる可能性があります。症状は一般に緩やかに進行しますが、その進行速度や重症度には大きな個人差があります。病状の進行に伴って介助が必要となったり、長期的には寝たきり状態になる患者さんもいます。発症後、成人認証群では数年から十数年かけて徐々に介助が必要になることが多いと報告されています。また、若年発症群では20年以上かけて身体機能が低下し長期に寝たきりになる、といったことが多く報告されています。小児発症群でも存命期間は長いものの重度障害状態が続くため介護負担が大きくなるとされています。一方でNIIDが直接の原因ではなく、嚥下障害による誤嚥性肺炎や全身衰弱などで亡くなることが多いようです。
根治療法がなく病状の進行により日常生活が困難になることが予想されるNIID患者さんが、一日でも長く残っている機能を維持するにはリハビリテーションが重要だと言われています。理学療法や作業療法、症状によっては言語聴覚士の介入が生活の質(QOL)の維持のために推奨されています。また、栄養管理においても、主治医と相談のうえ、胃瘻や中心静脈栄養なども検討される場合があります。
NIIDは、根治療法が確立されていない進行性の疾患であり、遺伝子の異常との関連が明らかになってきています。患者さんご自身の将来やご家族への影響について不安や疑問を感じることがあるかもしれません。
そのような時には、遺伝子検査を受けるかどうかも含めて専門家に相談できる遺伝カウンセリングという制度があります。希望される場合には、主治医の先生に相談し、必要に応じてNIIDの専門医とも連携しながら、適切な医療機関を紹介してもらってください。
「JaNIIDS事務局(日本神経核内封入体病研究グループ)」のホームページも参考になると思いますので、ご参照下さい(リンクは右下「JaNIIDS事務局HPへ」をクリック)。

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